ラクガキライフドットコム

休学明けのゆとりの大学生が明日がちょっと豊かになるコンテンツ💰🎬📖をお届けします

【スゴ本100冊】「誰のためのデザイン?」で学ぶモノとの向き合い方

こんにちは。

本を読んだので感想をまとめました!

 

今回手にとった本は、

D.A.Norman(ドナルド・ノーマン)氏の「誰のためのデザイン? 増補・改訂版 -認知科学者のデザイン原論」。

 

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

 

 

 

本書を知ったのはSNSで見かけたこのブログ記事。

dain.cocolog-nifty.com

 

dainさんというブロガーの方の書評ブログ。

この「大学教師が新入生に薦める100冊」という記事、今もSNSなどあらゆるところでシェアされている。

 

今回、筆者が伝えたかったのは「デザインは素敵である!よく考えて良いものを作り、それを選ぼう!」というシンプルなメッセージ。

「デザインとは」という根本的なところから説明されており、基本的には認知科学の素養のある人、デザイナーやユーザーインターフェースに関わるフロントエンドエンジニア向けの入門書と言えそうです。

 

しかしながら、ここで述べられているデザインについて筆者は、

モノがどう動くか、どう制御されるのか、さらには人とテクノロジーのインタラクション(相互作用)の特性に注目する 

 と表現しています。

 

対象読者は、「普段から物と接している人たち」、つまり我々一般人全般とも言えるんですよね。

少しばかり専門的な用語も入り混じっているものの、都度その知識について分かりやすく説明がなされているため補完しながら読み進めることができそうです。(その分分厚めです)

 モノのせいにするポジティブ心理学

スライド式のドアなのに押したり引いたりしてしまう。

そんな時に「なぜ他の人はできるのに自分はこんな簡単な物を扱えないのか…」と自己嫌悪に陥るのではなく「学習経験としてポジティブに捉える」ことを強く訴えている。

 

失敗したときに自己嫌悪に陥るのではなく、同じ失敗を繰り返さないようなぜそうなったか、どのように改善していくべきかを根本から考えることに繋がるから。

 

操作などがうまくいかない時、多くの場合それはデザイナーの意図の一方通行によるものであり、理解のできない製品、使用感の悪い製品が手元に届いてしまっているのです。

 

著者は「人は色んなエラーや非合理な判断をしてしまう生き物である」という立場を徹底しており、失敗したら製品(ないし製品のデザイン)のせいにするというのは、デザインをより良くしていくためのアクションに繋がる。

 

良いデザインのための考え方

では、製品の作り手であるデザイナーは何を考えてるんだ!という話だが、もちろん独りよがりなデザイナーだけではなく、ユーザー視点の優れたデザインを作っている優秀なデザイナーは数多く存在する。

 

優秀なデザイナーの条件として挙げられていた「デザイン思考」という言葉が本書では丸一章かけて論じられています。

内容は割愛しますが、これらの説明は全て「正しい問題を発見し、解決すること」の手段である、ということに帰結しています。

 

またデザイナーからユーザーに製品が届けられる過程について筆者はいくつかポイントを挙げています。

 

・競争圧力

競合同士で機能を比較し、弱いところに無理やり新たな機能を装備していくことで競合に勝ろうとする姿勢についての筆者の言及が見られます。

 

・テクノロジーの発展

都度ヒトを発展させてきたのは「便利な世の中を望み、心の外に支援物を作り出してきたこと」であると筆者は言います。

同時にテクノロジーが発達しても、基本となるデザイン原則は変わることはない。

救いのある言葉ですよね。

 

まとめ 

読んでいると何かモノを作りたくなる。
そしてモノを使い手がどのように意図し、手に取り、感じるのか。
心理学的なアプローチから深く掘り下げている。

 

最終章のクライマックスの見出しである

「本の未来」「デザインの道徳的義務」「小さなものの台頭」

の節だけでも一見の価値があると思う。

 

図書館に普通に置いてあるので手にとってみてはどうでしょうか。

 

ではでは。

 

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論